「器ひと口メモ#3」

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黄瀬戸(きぜと・きせと)とは?

 

16世紀(桃山時代)以降、瀬戸の窯で焼成された淡黄色の器を言います。

黄色い瀬戸の焼き物ということです。

あぶらげ手といわれる表面が油揚げのような無地のものと、光沢のある文様などを入れたものと大別されます。

成形後に綿ぼり(あやめ・大根など)、印花(菊・桐など)、櫛目などを施し、素焼きの後、黄瀬戸の釉薬を掛け、

酸化焔焼成(酸素が多量に含まれている)によって黄色に変化します。釉薬は例えば、3号石灰釉100に鉄分2を混ぜたりします(木灰を使ったりもします)。綿ぼりの上にタンパン(硫酸銅)などを打って鮮やかな緑色に発色したり、釉薬の鉄分のこげが景色となったりします。

 

名品としては、茶碗は少ないが、中でも「朝比奈」が有名です。また、懐石料理用の鉢、皿や向付などの器が多く、「あやめ手の大皿」「大根図鑑輪花大鉢」が知られています。

写真上は「川端 廣子」さん、写真下は「京焼 治兵衛窯」さんの作品です。